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特許法・実用新案法 関連判決
平成30年(ネ)第10063号

二酸化炭素含有粘性組成物大合議事件

損害額、特許法102条2項,3項
管轄:
知財高裁 大合議
判決日:
令和元年6月7日
事件番号:
平成30年(ネ)第10063号
キーワード:
損害額、特許法102条2項,3項

第1 事案の概要


本件は,名称を「二酸化炭素含有粘性組成物」とする発明に係る2件の特許権(特許第4659980号及び特許第4912492号。本件特許権1及び本件特許権2)を有する被控訴人が,①控訴人らが製造,販売する炭酸パック化粧料(被告各製品)は上記各特許権に係る発明(本件各発明)の技術的範囲に属し,それらの製造,販売が上記各特許権の直接侵害行為に該当するとともに,②控訴人Y1が被告各製品の一部に使用する顆粒剤を製造,販売した行為は上記各特許権の間接侵害行為(特許法101条1号又は2号)に該当するなどとして,控訴人らに対し,同法100条1項及び2項に基づく被告各製品及び顆粒剤の製造,販売等の差止め及び廃棄並びに,不法行為に基づく損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めた事案である。

原判決は,被控訴人の控訴人らに対する差止め及び廃棄請求を認容するとともに,控訴人らに対する損害賠償請求の一部を認容し,その余の請求を棄却したため,控訴人らが控訴した。

第2 裁判所の判断


1.技術的範囲の属否


  1. 本件特許1の特許請求の範囲の請求項1(以下,当該請求項に係る発明を「本件発明1-1」という。)は次のとおりである。

    【請求項1】 部分肥満改善用化粧料,或いは水虫,アトピー性皮膚炎又は褥創の治療用医薬組成物として使用される二酸化炭素含有粘性組成物を得るためのキットであって,
    1)炭酸塩及びアルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物と,酸を含む顆粒(細粒,粉末)剤の組み合わせ;又は
    2)炭酸塩及び酸を含む複合顆粒(細粒,粉末)剤と,アルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物の組み合わせ
    からなり,
    含水粘性組成物が,二酸化炭素を気泡状で保持できるものであることを特徴とする,含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させることにより気泡状の二酸化炭素を含有する前記二酸化炭素含有粘性組成物を得ることができるキット。
  2. 本件特許2の特許請求の範囲の請求項1(以下,当該請求項に係る発明を「本件発明2-1」という。)は次のとおりである。

    【請求項1】 医薬組成物又は化粧料として使用される二酸化炭素含有粘性組成物を得るためのキットであって,
    1)炭酸塩及びアルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物と,酸を含有する顆粒剤,細粒剤,又は粉末剤の組み合わせ;
    2)酸及びアルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物と,炭酸塩を含有する顆粒剤,細粒剤,又は粉末剤の組み合わせ;又は
    3)炭酸塩と酸を含有する複合顆粒剤,細粒剤,又は粉末剤と,アルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物の組み合わせ;
    からなり,
    含水粘性組成物が,二酸化炭素を気泡状で保持できるものであることを特徴とする,含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させることにより気泡状の二酸化炭素を含有する前記二酸化炭素含有粘性組物を得ることができるキット。
  3. 本件各特許の特許請求の範囲には,「含水粘性組成物が,二酸化炭素を気泡状で保持できるものであることを特徴とする」,「含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させることにより気泡状の二酸化炭素を含有する前記二酸化炭素含有粘性組成物を得る」との記載がある。
    これらの記載によれば,上記の構成は,含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させることにより,気泡状の二酸化炭素を発生させ,発生した気泡状の二酸化炭素を含水粘性組成物が保持できる構成であることが理解できるものの,含水粘性組成物が保持する二酸化炭素の含有量を限定することを示すものとは解されない。
    被告各製品から得られる二酸化炭素含有粘性組成物は,ジェル剤と顆粒剤の混合後20分以上,ジェルに気泡状の二酸化炭素が含有・保持されていることが認められる。
    そして,被告各製品は使用の際に2剤を混合するパック化粧料のキットであり,その性質上,ジェル剤と顆粒剤を混合して間をおかずに使用するものであるから,被告各製品の含水粘性組成物は,キットから得られる二酸化炭素含有粘性組成物を使用する際に二酸化炭素を気泡状で保持できる構成を有するものということができる。
    被告各製品の構成や,被告各製品が,炭酸水素ナトリウム,アルギン酸ナトリウム及び水を含むジェル剤とリンゴ酸を含む顆粒剤を混合して使用するパック化粧料のキットであることによれば,・・・中略・・・被告各製品は少なくとも本件発明1-1及び本件発明2-1の技術的範囲に属するということができる。

2.控訴人らの責任


被告各製品が本件発明1-1及び本件発明2-1の技術的範囲に属することから,・・・控訴人らが被告各製品を製造,販売する行為は本件各特許権の直接侵害行為に当たる。
被告製品は,控訴人Y1が製造,販売した顆粒剤と,ジェル剤のキットである。そして,控訴人Y1が販売した顆粒剤は,これらの被告製品においてジェル剤とセットで販売するためのものとして製造,販売されたものと認められるから,他の経済的,商業的又は実用的な用途を観念することはできない。
したがって,控訴人Y1が顆粒剤を製造,販売した行為は,これらの被告製品の「生産にのみ用いる物」の生産,譲渡として,本件各特許権の間接侵害行為(特許法101条1号)に当たる。
以上のとおり,控訴人らは,本件各特許権を侵害した者であるから,侵害行為についての過失が推定される(特許法103条)。

3.損害(特許法102条2項)


(1)特許法102条2項について
ア 特許法102条2項は,「特許権者…が故意又は過失により自己の特許権…を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為により利益を受けているときは,その利益の額は,特許権者…が受けた損害の額と推定する。」と規定する。特許法102条2項は,民法の原則の下では,特許権侵害によって特許権者が被った損害の賠償を求めるためには,特許権者において,損害の発生及び額,これと特許権侵害行為との間の因果関係を主張,立証しなければならないところ,その立証等には困難が伴い,その結果,妥当な損害の?補がされないという不都合が生じ得ることに照らして,侵害者が侵害行為によって利益を受けているときは,その利益の額を特許権者の損害額と推定するとして,立証の困難性の軽減を図った規定である。そして,特許権者に,侵害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には,特許法102条2項の適用が認められると解すべきである。

イ 被控訴人は,平成11年9月以降,ジェル剤と顆粒剤からなる2剤混合型の炭酸パック化粧料を製造,販売している。これらの製品(以下「原告製品」という。)は,本件発明1-1及び本件発明2-1の実施品である。
これによれば,本件において,被控訴人に,控訴人らによる特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在することが認められ,特許法102条2項の適用が認められる。

ウ そして,特許法102条2項の上記趣旨からすると,同項所定の侵害行為により侵害者が受けた利益の額とは,原則として,侵害者が得た利益全額であると解するのが相当であって,このような利益全額について同項による推定が及ぶと解すべきである。もっとも,上記規定は推定規定であるから,侵害者の側で,侵害者が得た利益の一部又は全部について,特許権者が受けた損害との相当因果関係が欠けることを主張立証した場合には,その限度で上記推定は覆滅されるものということができる。

(2)侵害行為により侵害者が受けた利益の額

ア 利益の意義
特許法102条2項所定の侵害行為により侵害者が受けた利益の額は,侵害者の侵害品の売上高から,侵害者において侵害品を製造販売することによりその製造販売に直接関連して追加的に必要となった経費を控除した限界利益の額であり,その主張立証責任は特許権者側にあるものと解すべきである。

イ 売上高
被告各製品に係る本件損害期間の控訴人らの売上高が別紙「売上高・経費一覧表」の「売上高」欄記載のとおりであることについては,当事者間に争いはない。

ウ 控除すべき経費
前記のとおり,控除すべき経費は,侵害品の製造販売に直接関連して追加的に必要となったものをいい,例えば,侵害品についての原材料費,仕入費用,運送費等がこれに当たる。これに対し,例えば,管理部門の人件費や交通・通信費等は,通常,侵害品の製造販売に直接関連して追加的に必要となった経費には当たらない。

エ 小括
したがって,別紙「損害額一覧表」の「裁判所認定額」「2項による損害額」欄記載の額が控訴人らの特許権侵害行為により被控訴人が被った損害の額と推定される。


(3)推定覆滅事由について

ア 推定覆滅の事情
特許法102条2項における推定の覆滅については,同条1項ただし書の事情と同様に,侵害者が主張立証責任を負うものであり,侵害者が得た利益と特許権者が受けた損害との相当因果関係を阻害する事情がこれに当たると解される。例えば,①特許権者と侵害者の業務態様等に相違が存在すること(市場の非同一性),②市場における競合品の存在,③侵害者の営業努力(ブランド力,宣伝広告),④侵害品の性能(機能,デザイン等特許発明以外の特徴)などの事情について,特許法102条1項ただし書の事情と同様,同条2項についても,これらの事情を推定覆滅の事情として考慮することができるものと解される。また,特許発明が侵害品の部分のみに実施されている場合においても,推定覆滅の事情として考慮することができるが,特許発明が侵害品の部分のみに実施されていることから直ちに上記推定の覆滅が認められるのではなく,特許発明が実施されている部分の侵害品中における位置付け,当該特許発明の顧客誘引力等の事情を総合的に考慮してこれを決するのが相当である。

イ 控訴人らは,炭酸ガスを利用したパック化粧料全てが競合品であることを前提に,他の炭酸パック化粧料の存在が推定覆滅事由となると主張する。
しかし,そもそも,競合品といえるためには,市場において侵害品と競合関係に立つ製品であることを要するものと解される。
被告各製品は,炭酸パックの2剤型のキットの1剤を含水粘性組成物とし,炭酸塩と酸を含水粘性組成物中で反応させて二酸化炭素を発生させ,得られた二酸化炭素含有粘性組成物に二酸化炭素を気泡状で保持させる炭酸ガスを利用したパック化粧料である。そして,化粧料における剤型は,簡便さ,扱いやすさのみならず,手間をかけることにより得られる満足感等にも影響するものであり,各消費者の必要や好みに応じて選択されるものであるから,剤型を捨象して広く炭酸ガスを利用したパック化粧料全てをもって競合品であると解するのは相当ではない。控訴人らが競合品であると主張する製品は,その販売時期や市場占有率等が不明であり,市場において被告各製品と競合関係に立つものと認めるには足りない。

ウ 控訴人らは,被告各製品が利便性に優れているとか,被告各製品の販売は控訴人らの企画力・営業努力によって成し遂げられたものであると主張する。
しかし,事業者は,製品の製造,販売に当たり,製品の利便性について工夫し,営業努力を行うのが通常であるから,通常の範囲の工夫や営業努力をしたとしても,推定覆滅事由に当たるとはいえないところ,本件において,控訴人らが通常の範囲を超える格別の工夫や営業努力をしたことを認めるに足りる的確な証拠はない。

エ 控訴人らは,被告各製品は原告製品に比べて顕著に優れた効能を有すると主張する。
侵害品が特許権者の製品に比べて優れた効能を有するとしても,そのことから直ちに推定の覆滅が認められるのではなく,当該優れた効能が侵害者の売上げに貢献しているといった事情がなければならないというべきである。

オ 控訴人らは,被告各製品が控訴人Y1の有する特許発明の実施品であるなどとして,これらの特許発明の寄与を考慮して損害賠償額が減額されるべきであると主張する。
侵害品が他の特許発明の実施品であるとしても,そのことから直ちに推定の覆滅が認められるのではなく,他の特許発明を実施したことが侵害品の売上げに貢献しているといった事情がなければならないというべきである。控訴人Y1が,二酸化炭素外用剤に関連する特許・・・を保有していることは認められるが,被告各製品が上記各特許に係る発明の技術的範囲に属することを裏付ける的確な証拠はないから,そもそも,被告各製品が他の特許発明の実施品であるということができない。よって,これらの特許発明の寄与による推定の覆滅を認めることはできない。

カ 控訴人らは,従来技術との比較の観点から,本件発明1-1及び本件発明2-1の技術的価値が低いことを主張するが,控訴人らが指摘するジェルと粉末を組み合わせる化粧料の技術は,炭酸ガスを利用した化粧料に係るものではないし,2剤混合型の気泡状の二酸化炭素を発生する化粧料は,炭酸ガスの気泡の破裂により皮膚等をマッサージするための発泡性化粧料の技術であって,二酸化炭素を気泡状で保持する二酸化炭素含有粘性組成物を得るためのものではないから,いずれも本件発明1-1及び本件発明2-1を代替するものではないいずれも本件発明1-1及び本件発明2-1を代替するものではない。そうすると,これらの従来技術の存在は,被控訴人の受ける損害とは無関係であるから,推定覆滅事由に当たるということはできない。

キ 控訴人らは,乙A3の実験結果によれば,ブチレングリコールが配合された被告各製品においては,本件発明1-1及び本件発明2-1の寄与は限定的であると主張する。しかし,本件発明1-1及び本件発明2-1は二酸化炭素含有粘性組成物を得るための2剤型の化粧料のキットの発明であるところ,被告各製品は,炭酸塩を含むジェル剤と酸を含む顆粒剤を混合して使用するパック化粧料のキットであるから,本件発明1-1及び本件発明2-1は被告各製品の全体について実施されているというべきである。また,被告各製品にブチレングリコールが配合されたことによる効果が控訴人らの売上げに貢献しているといった事情も認められない本件において,ブチレングリコールが配合されていることは,被控訴人の受ける損害とは無関係であるから,控訴人らが指摘する乙A3の実験の結果は,控訴人らの上記主張を基礎付けるものではない。


4)まとめ
以上より,本件各特許権侵害について,特許法102条2項により算定される損害額は,別紙「損害額一覧表」の「裁判所認定額」「2項による損害額」欄記載のとおりとなる。なお,本件特許権1及び本件特許権2の内容に照らし,一方のみを侵害していた期間と両方を侵害していた期間で損害額を異にするものではない。

4.損害(特許法102条3項)


(1)特許法102条3項について
特許法102条3項は,特許権侵害の際に特許権者が請求し得る最低限度の損害額を法定した規定である。・・・同項による損害は,原則として,侵害品の売上高を基準とし,そこに,実施に対し受けるべき料率を乗じて算定すべきである。


(2)その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額
ア 特許法102条3項所定の「その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」については,平成10年法律第51号による改正前は「その特許発明の実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額」と定められていたところ,「通常受けるべき金銭の額」では侵害のし得になってしまうとして,同改正により「通常」の部分が削除された経緯がある。
特許発明の実施許諾契約においては,技術的範囲への属否や当該特許が無効にされるべきものか否かが明らかではない段階で,被許諾者が最低保証額を支払い,当該特許が無効にされた場合であっても支払済みの実施料の返還を求めることができないなどさまざまな契約上の制約を受けるのが通常である状況の下で事前に実施料率が決定されるのに対し,技術的範囲に属し当該特許が無効にされるべきものとはいえないとして特許権侵害に当たるとされた場合には,侵害者が上記のような契約上の制約を負わない。そして,上記のような特許法改正の経緯に照らせば,同項に基づく損害の算定に当たっては,必ずしも当該特許権についての実施許諾契約における実施料率に基づかなければならない必然性はなく,特許権侵害をした者に対して事後的に定められるべき,実施に対し受けるべき料率は,むしろ,通常の実施料率に比べて自ずと高額になるであろうことを考慮すべきである
したがって,実施に対し受けるべき料率は,①当該特許発明の実際の実施許諾契約における実施料率や,それが明らかでない場合には業界における実施料の相場等も考慮に入れつつ,②当該特許発明自体の価値すなわち特許発明の技術内容や重要性,他のものによる代替可能性,③当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や侵害の態様,④特許権者と侵害者との競業関係や特許権者の営業方針等訴訟に現れた諸事情を総合考慮して,合理的な料率を定めるべきである

イ 実施に対し受けるべき金銭の額
・・・①本件訴訟において本件各特許の実際の実施許諾契約の実施料率は現れていないところ,本件各特許の技術分野が属する分野の近年の統計上の平均的な実施料率が,国内企業のアンケート結果では5.3%で,司法決定では6.1%であること及び被控訴人の保有する同じ分野の特許の特許権侵害に関する解決金を売上高の10%とした事例があること本件各特許の技術分野が属する分野の近年の統計上の平均的な実施料率が,国内企業のアンケート結果では5.3%で,司法決定では6.1%であること及び被控訴人の保有する同じ分野の特許の特許権侵害に関する解決金を売上高の10%とした事例があること,②本件発明1-1及び本件発明2-1は相応の重要性を有し,代替技術があるものではないこと,③本件発明1-1及び本件発明2-1の実施は被告各製品の売上げ及び利益に貢献するものといえること,④被控訴人と控訴人らは競業関係にあることなど,本件訴訟に現れた事情を考慮すると,特許権侵害をした者に対して事後的に定められるべき,本件での実施に対し受けるべき料率は10%を下らないものと認めるのが相当である。なお,本件特許権1及び本件特許権2の内容に照らし,一方のみの場合と双方を合わせた場合でその料率は異ならないものと解すべきである。
したがって,本件各特許権侵害について,特許法102条3項により算定される損害額は,別紙「損害額一覧表」の「裁判所認定額」「3項による損害額」欄記載のとおりとなる。

5.総括


被控訴人Y2については,上記4で認定した特許法102条3項に係る損害額が,前記3で認定した同条2項に係る損害額よりも高いから,同条3項に係る損害額をもって被控訴人の損害額と認めるべきことになる。
他方,その余の控訴人らについては,いずれも前記3で認定した同条2項に係る損害額の方が高いから,この金額をもって被控訴人の損害額と認めるべきことになる。

第3 結論


以上より,被控訴人の損害賠償請求を上記のとおりの限度で認容し,その余の損害賠償請求を棄却した原判決の判断に誤りはなく,控訴人らの控訴は理由がないから,いずれも棄却すべきものである。


2019年11月25日
エスエス国際特許事務所

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